1回法か二回法か??
根管治療って長くかかる・・って思っている人が多いのではないでしょうか??
5回も6回もそれ以上かかるって思っていたりしませんか??
治療自体はケースによりけりですが、時間さえあれば1回でも終わることができます!
アメリカでは治療は1回法がほとんどと言われています。
そもそもアメリカですと保険のシステムが違うため、自分の加入している保険システムが歯科をカバーしているかどうか確認しないといけませんが、根管治療自体は一般医が行っても非常に高いです。
GPと言って歯科全般を行う先生のところでは小臼歯までしか根管治療を行わないことがほとんどです。
話がずれましたが、2回法にする場合は、仮封という言われる次の治療までに口腔内の唾液や細菌が根管内に入らないようにする処置を入念にする必要があります。
入念にってどういうことか??
絶対外れないように、時間が経ってもその封鎖性を保てるように仮封を行う必要があるんですね。
で、一応、論文的には
一般的に使われる仮封材がどのくらいの厚みが必要なのか?どのくらい(期間)保つことができるのか??
が報告されているのですが、2回法で行うために、十分な厚みを取ったり、個人的な咬合の癖を考えるとどうしても(通常の)仮封材で仮封するくらいなら、多少時間をかけても1回で根管治療を終えた方がよいと考える先生が多いです。(アメリカでは)
あとアメリカの場合、イニシャルケースと言って、根管治療が初めてのケースがかなり多いので難易度、成功度も変わってきますから、1回法がメインになるのだろうと感じています。
日本の場合は、再根管治療が多いので、私は基本的には2回法でおこなっています。
症状がある場合はどんな場合でも、イニシャルケースであっても2回で行っています。
イニシャルケースであれば、小臼歯までは1回法でおこなっています。
治療時間は1.5−2時間くらいです。
目安は、疼痛や、腫脹などがなくなってから、になりますね〜。
根管内の状態としては、根尖からの著しい排膿などの症状がないこと、でしょうか。
次は何をかこうかな。レントゲンやCTについても書いていこうかなと思っています。
材料;”MTA”って??
最近、歯の神経の治療(根管治療)も以前よりも知名度が上がってきて、MTAという材料についても聞いたことがあるかもしれません。
”Mineral Trioxide Aggregate”の略になります。
MTAの硬化は無機酸化物と水の反応(水和反応)による硬化様式で、ケイ酸カルシウム水和物の固体と水酸化カルシウムが作られます。
MTAは海外ではメジャーな材料なんですが、その一番の特性として、
水分がある中で硬化してくれる。(親水性)
強アルカリ性である。(抗菌性)
固まる時に僅かに膨張する。(硬化膨張)
体の中で異物として認識されにくい。(生体親和性が高い)
があります。そのため、歯の変な部分で孔が開いてしまっていて(穿孔)、そこで炎症がおき、細菌の感染からその部分に骨の裏打ちがないときなどに非常に有用です。
基本的にはMTAの粉末と精製水を練って使うのですが、(製品によってはペーストもあります)、やはり以下の時にとても良い材料だと思います。
穿孔→ 粘度を持った状態、または塊としてピンポイントにアプローチして穿孔部を封鎖できる
封鎖性→ わずかに効果膨張するので、リーケージによる漏洩がなくしっかり封鎖できる
炎症、細菌→ 炎症があると、酸性に傾いているのですが、MTAのアルカリ性によって、残った細菌の活動性を鎮め、炎症を抑えてくれる
(細菌自体は基本的には治療によって、数を減らしますが、わずかに残っている可能性がある細菌の活動性を抑制し、封じ込める)
骨の裏打ちがない→人工材料だが、生体親和性が高いのでその上に骨細胞が増え、骨が作られる
基本的に歯科の材料は硬化収縮するものが多かったり、接着性を高めるためには水分がNGだったりするので、上記MTAの特性はとても有用な特性です。
ただ、MTAに慣れてないと扱いにくいし、どのような場所などに使うか?なども使い慣れていない人には難しいかと思います。
基本的な考え方としては道路のモルタルと一緒で最終硬化までの時間が必要です!
もちろん医療用に改変された無機酸化物からなるポルトランドセメントですが、ポルトランドセメントは道路のコンクリート成分でもあります。
セメントが最終硬化を行うときに十分に水分の養生が必要なのと同様に、MTAセメントも生体内での水分があって大丈夫なんですね〜〜
ここらへんは仙台のS先生が大変お詳しく(もちろん前職がI重工業でセメントのプロ!!)、さまざまなメーカーからのMTAについてS先生の講演で勉強させていただきました。ここで改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
(S先生、ご自身が関わった橋梁なども説明してくれました〜〜〜。大変楽しかったです、ありがとうございます。)
と、ここまでMTAの仕様としてはやはり、穿孔か歯根端切除術の逆根管充填に使うのに非常に向いていると思うんですが.....
保険ではこの使い方が許可されてないのです.....
その代わりに、偶然神経が出てしまった時に神経を保護するような目的の場合、保険での使用が許されています。
最近、MTAの特性に着目して、MTA成分を入れたシーラーなどもありますが、保険で使用できるMTAシーラーなどもあります。こちらはピュアなMTAという分類ではなく、シーラーとしては他にも成分が入っていたりするので、純粋にMTAという言い方は厳しいかなというものもあります。
MTAそのものについて私見を述べてみました。
根管治療の基本;上部形成
神経の治療で行うことで、再根管治療をするとき(閉塞気味のイニシャル治療でも)にいつも思っていることなのですが.......
上部のフレア形成
を丁寧にすること!ですね。
フレア形成とかストレートライン形成とか言ったりします。
歯根の上部1/3のことをいいます。
特に大臼歯部の手前側の根管 (近心根)は、根の先にまっすぐファイルが入らないことがほとんどなので。エンド三角と言われる歯質の張り出しを取ってあげる必要があります。
上の小臼歯(2根管)だったら頬側の方の根管の入口が内側によっていたりします。
どうやって方向を確認するのか??
もちろん、Kファイル! (理想は35号、10号〜20号くらい)
を根管に差し込んでみましょう。 この時に根管の下の方までアプローチする必要はありません。 まずは上部のみ・・・
10号しか入らないほど閉塞してる場合は20号くらいまでは拡大させます。
で、
ゲーツグリッデンドリル または上部形成用のNiTiファイル(オリフィスオープナーとか)
でエンド三角の張り出しを取っていきつつ、丈夫のフレア形成を行います。
ゲーツの方が切削効率はいいので好きですが、NiTiファイルで入口だけ広げることもありますね〜〜〜(上顎6番や7番のMB2など)
ゲーツの使い方は(1→)2→3→4(→1) です。非注水です!
4番を使わないことも多いですけど、お好みです。
もちろんゲーツ1は上下運動のみ、2〜4は、上に掻き出す時にエンド三角の方に寄せて、張り出しを取っていきます。
ゲーツは上に引き出す時に切削するので、押し込まないようにしましょう。
ゲーツ1で径が0.5mm、2で0.7mmなので、3で0.9mmです。
そしてまた歯の尖端の方のアプローチのために、Kファイル(穿通できそうならCプラスファイル)でトライ!!!
ファイルが根管の壁から離れるように曲がっていたら、まだ上部のフレア形成が甘いですよ〜〜〜
そこでまた少なくとも20号くらいまでは、その位置まで拡大してあげて、ゲーツを使って、ストレートラインを作るようにしましょう!
ニッケルチタンで上部形成するときにもやっぱりストレートラインを作ることを意識しています。
そもそも回転運動だけだと根管を中心に円状に拡大されるだけで、エンド三角をとってファイルが根の尖端まで一直線に入るようにはならないし、内側をストリップパーフォレーションする可能性もありますから.....
(ニッケルチタンファイルの好みについてはオリフィスオープナーも合わせて別の機会に
文字化しようと思ってます)
再根管治療ですでに一度されているときも、レントゲンを見て、根管の位置を確認します。
ゲーツで古い詰め物を取りながら自分にとって理想的な上部のフレア形成をしていきます!やっぱり非注水で、GPを回転熱で軟化しながら取ります。
あくまで上部形成であることを忘れずに!!
今日はフレア形成について勉強してきたこと、自分が実践していることを文字にしてみました。
でも一番大切な部分で、ここをちゃんとできると根管治療が楽になると思います。
治療ーハンドファイルの好み
こんにちは!
とっても専門的な話になってしまいますが、、、、治療の道具の話を。。
ハンドファイル
についてです。
私が好きなメーカーはやっぱり、、、、、ZIPPERER (ジッペラー)
ですね。
Cパイロットファイルについてではなくて、通常のK-ファイルの話です。
スチール性のファイルのことで、歯の神経の治療をするときに、手で持って使います。
主にハンドファイルには3種類があって、リーマー、Kファイル、Hファイルがあって
それぞれ動かし方が違います。
断面は以下の図から。(デンタルダイヤモンドさんのHPから借用しています。
https://dental-diamond.jp/docchi/9809/index.html
)

ZIPPERER (ジッペラー)のKファイルはどこがいいのか?? (個人的な好みです)
主に
細い号数(#10,#15)でもしっかりコシがあり、力を伝えやすい。(先端にプレカーブをつけてもちゃんと機能してくれる)
逆に太い号数(#30以上)は、固すぎなくて、しなりがあるため根管の形に沿ってくれる
です!歯の神経の治療でハンドファイルを使わないなんてことは一度もないので、やっぱり上記2点が圧倒的にジッペラーのKファイルに軍配が上がるんですよねぇ。
その分、お値段も高いんですが、やはりジッペラーが大好きです。
ハンドファイルの種類のうち、私はKファイルのみ使ってます。リーマーやHファイルは今は全く使いませんね〜〜〜。
(自分の好きなファイルを使えば良いと思いますので、好みです。)
器具の好みのお話しでした!
自己紹介
始めまして、ジジです。女性です(自分で女性というのも言いにくいですね)。
ニックネームの由来はうちのワンちゃんの名前から。
もう亡くなってしまったけど、可愛い可愛いわんちゃん(female)だったので。
歯科医師になって研修医を過ごし、その後大学院に進みました。
臨床系の大学院で歯の神経(歯髄)や根管治療について学んできました!
もちろん、学ぶだけでなくて、大学病院での治療もたくさん行ってきました。
神経の治療といっても、神経をなるべく残すことや、半分残して歯の完成(特に未成年者)を待ったり。通常の根幹治療も色々やってきました。
穿孔に対してMTAを用いた治療や、根管に残された破折ファイルの除去など。
顕微鏡を用いた歯根端切除術(マイクロ逆根管治療)ももちろんおこなってきました!
学位を取るための研究もしましたよ!毎日研究と向かい合う日々でした。
あの日々には戻れない.....もうあの体力がありませんね。
アメリカにも行ってきましたけど、研究のみですので治療はやってません。
向こうの歯科学生などともコミュニケーションしてきましたよ〜。
今は日本に帰国し、歯の神経の治療専門で歯医者を行なっています。
歯の神経専門でやるって決めるまでにも様々な先輩や大学の先生にも助けてもらってお世話になりました。
このブログでは、そういった歯の治療のことや、私の好きな治療道具、あとは日々の雑感について書いていければなと思っています。